安倍首相とブラックロック


http://jp.wsj.com/articles/SB12537489679309604143004581293982435511592

全くの余談ですが、むかし英国にいたころアンダーウッド(Underwood)というドラッグストアがあって、これって日本名だと森下さんだよねぇと一人で妙に感動してしまった記憶があります。ブラックロック(BlackRock)はさしずめ黒岩さんでしょうかね。

冗談はさておき、安倍首相がブラックロックと昔から懇意かどうかはよくわかりませんが、ご指名で
「国内企業に設備投資を促進させる方法」
についてアドバイスを求めるという決定に至る過程がどうもよくわかりません。

ブラックロックは確かに世界最大の投資顧問会社ですが(2015年6月30日現在、運用資産残高はグループ全体で総額4.72兆米ドル(約578兆円))とりたてて企業とのエンゲージメントとかアクティビズムとか企業行動を変えていく投資家として有名というわけではありません。なによりも米国の投資顧問会社です。「国内企業に設備投資を促進させる方法」についてアイデアを出させるということについて、取り立てて専門的な知見があるとは思いません。彼らが採用された理由は、「外圧の利用」という役所の伝統芸か、さもなければ、経済には疎いと思われる安倍首相に変な取り巻きが吹き込んだという新旧「三本の矢構想」パターンだと思います。

少なくとも日本企業の特性を日本のほかの会社以上に理解しているとは思えないブラックロックだけがこのような政治に直結する情報を得られる特権を得るということの不公平さは金融関係者はもっと指弾していいと思います。

政治のネタは究極のインサイダーです。もちろんブラックロックが議論を通じて得た話は直接個別企業の業績につながるようなネタではないだろうし、構成要件的にインサイダー取引に触れることはないのかもしれません。しかし少なくともマクロレベルで人より先に政策の情報を得られることのアドバンテージは大きい。首相がこっそり個人レベルで話を聞くというのならともかく、政府として公式に一つの投資家に対してインナーサークルへの招待状を出すというのはやはりいかがなものか、と思うわけです。

まあ、入れてもらいたくても絶対入れてもらえないちんけな関係者の僻みだと思ってください。すみません。


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