かんぽ生命のこと

ちょっとニュースを聞いて信じられませんでした。二重契約、そして手数料目当てに無保険状態にしたこと。かつて保険会社で仕事をしていた身としてはにわかに信じられません。ワタクシの会社では、保険を売る立場として、保険屋が押し掛けてきて迷惑だと感じる人にはあまり信じてもらえないかもしれないけれど、それなりの職業倫理はあったしその点は割としっかり教育されてきたと思いますし、多くの会社もそうだと思ってました。これもなかなか信じてもらえないかもしれないけれど、保険会社で保険を販売するときは、この保険が必ずお客さまのためになると思ってお勧めしていたし、多くの営業の担当者はそうしていると思っています。個人的には、お客様のためにはならない可能性の高い保険商品をろくにお客さまに説明もしないで平気で販売している外資保険会社とか、平気で予定利率の高い貯蓄性保険を解約させてマージンの高い保障性商品に乗り換えさせるような営業をやっている大手とか大嫌いなのですが(そういう会社は実在する)、それでも多分、販売員はそれがお客様のためになると信じてやっている、といういいわけはまだ可能だろうと思っています。

ところが、手数料目当てにいったん解約させて無保険状態を作り出し、場合によっては健康状態に寄って再加入が難しくなりました、なんてのは、営業担当として知りませんでしたなんて言う言い訳のできない水準です。もし知らなかったら即座に販売員の資格をはく奪すべきだし、会社としてそれを黙認ないし推奨していたとしたら会社としての免許をはく奪すべきだと思いますよ。いやマジで。それは保険というものの社会的意義に対する最大級の冒涜でありそういう会社が保険営業を行う資格などありません。断じてない。

簡保というのはかつて、簡易に入れる保険という意味で、金額に上限のある掛け捨てだけを売っていたはずです。無診査つまり無選択で入れたことは保険の理屈から言えばやや問題だったとはいえ、審査のかかってない群団をそもそもベースにするという開き直りをすればそれは可能だろうと思いますし、銀行や保険会社のサービスの行き届かない田舎では郵便局が重要な金融機関であり、そこで入れる保険が重要な役割を持っていたことは認めるべきだと思います。しかしながら民営化などを経て普通の保険会社になろうとして、しかも保険を収益の一つの源として意識し始めたところから、販売体制と管理態勢のミスマッチが明らかになってきたのだと思います。つまり無選択で金額の上限のある定期保険や養老、学資などシンプルな保険だけだったのが、いくつか特約等を増やして保障性のバリエーションを増やして稼ぎに出たところで、その態勢整備の遅れが露呈した。報道を見る限りにおいて、組織的な営業員教育は全くなってない。かつては文字通り旧来の簡易な保険を売っていて別に厳しいノルマもない状況こそ郵便局の販売の姿としては理想的だったと思います。地方の津々浦々に張り巡らせた郵便局のネットワークを通じて、保険会社のネットワークの生き届かない地域や人々を補完する。これが公的な郵便局の役割とマッチしていたと思います。その意味では収益性は二の次でも良かったと思いますし、国民も多分それについては文句も言わなかったと思います。ところが、まあ民営化によってある程度は予想はされていたとはいえ、あまりに急激な変化に態勢整備が追いつかなかったということだろうと思います。
しかし、それはいいわけにはならない。保険事業でもノルマを作って営業に無理をさせる以上はきちんとやっていいこととそうでないことを、最低限人としてあるいは職業人としてやっていいことと悪いことを教えてからやらせなければならないし、そういうことができない人は見せしめに厳しい懲戒を行って、そういうことが起こらないようにする。それが保険と言うビジネスを行う上での最低限の職業倫理だと思うのです。通常の商品ではないのです。人の命にかかわるし、家族の将来や老後などを見据えた家族にとっても重要な商品で、商品によっては長期にわたって累計1000万円級の支払いを行う、一般人にとってはマイホームの次に大きな買い物と言われている。それがこういういい加減な扱いをされてはたまらないわけです。これによって保険業界そのものの信頼にも傷が付きます(まあ旧来型保険会社はかんぽ生命のことを同業者とは思っておらず、異形のビジネスだと思っていて、それがこんな形で暴走し、自損事故を起こし、環境ごとむちゃくちゃにしてくれたことに対して怒りを通り越してあきれて口もきけないという人が大半だろうと思います。敢えてもう一度書きますが、こういう会社はつぶれてほしい。一種の反社会的存在と言っても過言ではないと思います。当事者にはそれぐらいの自覚を持ってもらいたい。1カ月強程度の営業自粛ではなく、もとの簡保に戻ってほしい、と切に願う次第です。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2019年07月14日 12:36
簡易保険は上限のある掛け捨てだけを売っていた??全くの逆ですよ。めちゃくちゃ貯蓄率の良い商品ばかりを販売していたんですよ。昔から利用したことのある人はみんな知ってますよ。
他の保険会社の営業はお客様の事を考えて販売している??どこもかしこもよく似た営業は存在してますよ。保険の下取りなんてお客さんの得になるわけないのに、保険の営業はそればっかり勧めてるじゃないですか!
S.
2019年07月14日 13:01
先日、日系の大手保険会社が職場を訪問してきました。私は掛け捨ての死亡保険のみというシンプルな契約なので説明不要といいましたが、訪問させないならば商品提供できないと粘られて。
生命表が先日改定されたので契約し直せば安くなりますというので、では○○すると?それは安くなりすぎるので××で計算するとこんな感じです。では○○すると?それも安くなりすぎるので××だとこうなります。安くなりすぎるってどういうこと?保険料が今より安くなるプランはこの端末では計算できないんです。
ひたすら笑いましたわ。
現役13年目
2019年07月14日 17:51
昔のかんぽにってもう民営化どころか数十年前からずーっとされてきた手法で何を今さらと私は思いますよ。民営化とか関係なく前から懲罰研修とかこれ以外に言っていいのかわからない事を繰り返してきましたよ。20年以上前は予定利率が良かったから解約しても損害が顧客にバレなかっただけで、今はマイナス金利になりいよいよ損失がデカくなり売れなくなったから露見下だけ。
まして民営化前は監督官庁がないから何しても蓋したり抹殺してきましたから。
昔のかんぽにもどったら恐ろしいよ。
今回まだ架空契約の事はまだ表沙汰になってないけど時間の問題でしょう。
解散させ消さないと無理ですよ。